9月議会が召集されました。やっとこさ、議会というものに慣れつつあります。今回は、余り馴染みの無い議会会期についてふれたいと思います。
会期は一ヶ月余りですが、うち本会議は4日間。本日が初日で、本日は開会宣告に始まり、今回議案の説明をざっと行い、約40分程で閉会です。4日のうち、あとの2日は一般質問(よくテレビで放映される、あれです。)そして最終日は議案に対しての採決といった具合になっております。この本会議の間に、各委員会が開かれます。それぞれの議案は、それぞれの所轄の委員会に付託され、そこで議論を重ねるといった手筈です。全部を本会議で議論していたら、それこそ終わらないといった効率の問題でしょうか。
と、なぜ、このようなことを申し上げるかと申しますと、9月議会の特徴として、公営企業の決算を行うという課題があり、公営企業決算特別委員会にこの決算議案が付託され、協議されるのです。つまり、9月議会の重要議題は、この公営企業決算特別委員会の卓上で行われるといっても過言ではないのです。
そこで、今回は、9月議会の総括として、決算委員会での村山祥栄自身が行った質疑をご紹介させて頂きます。
9月議会において、公営企業決算特別委員会が開催され、総括質疑を始め、連日に渡り、全15項目に渡り、制限時間一杯をフルに使い質疑を行いました。その中で、桝本市長から未達成続きの目標に対し、「絶対達成する気迫で取り組みたい」という言葉を引き出す他一部では、努力目標を引き出すも、未だ回答の不明確さや前向きさの足りない行政の回答に将来の不安を感じざるを得ません。
市が計画した「ルネッサンスプラン」では、市バス事業の経常損益を平成21年度までにプラスに転じさせるとある。しかし、経常損益がプラスになったとしても、負債は平成21年の段階で、累積欠損金で190億、不良債権で200億を超える予定である。
この膨大な負債を返済する見通しが、市の計画では見えてこない。返済計画について説明して欲しい。
平成20年度に、市バス職員の退職者数がピークを迎える。したがって、それ以降、人件費、特に退職手当が大幅に削減される見通しである。したがって、その時点から累積欠損金、不良債務の返済に努めていきたい。
地下鉄事業については、平成9年開業の東西線の減価償却が現在非常に大きくなっているが、平成48年に収支の均衡がはかれる予定である。
(上の回答に対して)そうしたことは資料に載っている。累積欠損金、不良債務がいつ返済できるかを説明して欲しい。
また、市バスの企業債が増加しつつあり、平成14年度で、利息だけでも約二億六千万円を支払っている。経常損益が均衡化する平成21年度末でどれだけの企業債を見通しているのかということも、併せて尋ねたい。
指摘の通り、平成21年度末で約202億の不良債務になる予定である。一方、経常損益均衡後、平成22年以降では年20億の黒字化が期待されるの。
したがって、不良債務は、平成22年以降、約20年かけて解消できると見ている。但し、これは現在の「ルネッサンスプラン」で想定した状況下で推移すればという前提においてである。
ルネッサンスプラン完了時の平成21年には、地下鉄事業の累積欠損金が3000億を突破する。そのような厳しい状況下で、本当に平成48年までに不良債務を返済できるのか。
地下鉄東西線二条~天神川間の整備の関係もあり、地下鉄企業債の償還は、平成18年度、19年度以降進むことになる。平成21年度の段階では3500億くらいになる。東西線の線路周辺の見直しも行ってきており、国や一般会計の協力を得る中で、55億から70億の中で線路使用料の平準化、引き下げがはかれるようになった。
こうしたことも含め、今回の「ルネッサンスプラン」の中では、累積損益、累積欠損金の解消は平成53年、不良債務の解消については平成48年というふうに見込んでいる。
そうした累積損益、累積欠損金、不良債務の解消には定期的運賃改定という前提条件がある。その運賃上昇率に基づいて計算してみると、「ルネッサンスプラン」完了時には、現在の初乗り料金200円が540円になってしまう。もし、そうなれば、2人でタクシーを利用したほうが安くつくということになる。これは公共交通機関のあるべき姿としてふさわしくないのではないか。
また、そうなると、客離れによって、旅客収入の減少が生じ、「ルネッサンスプラン」の数値目標が達成できなくなってしまうのではないか。
(ここで時間切れ。この案件は、次回に持ち越しとなる。)
(前回の続きから)
地下鉄事業は平成21年度には、3000億以上の累積欠損金を抱えることになるが、平成48年に不良債務を解消するには、旅客運賃が13年後に300円、完了時には500円を超えざるをえない。
「ルネッサンスプラン」には、「不良債務を一掃する」という表現はあるものの、具体的な旅客数の推移に関して表に出てきていない。したがって、論拠を示し、説明して欲しい。
また、「ルネッサンスプラン」は、不良債務が解消するまで新規事業を一切展開しないという前提で数字が組まれているが、実際はどんな形であれ、新規事業はつきものである。
したがって、そうしたことを踏まえた上で、数値をシビアに見直して欲しい。
地下鉄東西線について、平成16年度には醍醐~六地蔵間の延伸、平成19年度に二条~天神川の延伸を予定している。これらを見越して、全体的な需要予測をしている。
現時点での旅客数30万9000人をスタートにしているが、経済状況等を考慮し、もとの需要予測をかなり厳しめに見直して、今回の「ルネッサンスプラン」の数値を設定するに至った。
交通広告の収入が14年度決算で9億3011万円と、前年度比約9%ダウンしている。平成10年度から比べると34%、つまり、3分の2に広告収入が減少している。これは改善の余地がある。
まず、広告事業に必要なのは価格力、商品力、営業力。交通局には最後の営業力が欠如している。
その点に関して、
(a)ヒアリングなどを通して、企業が求めているニーズを把握しているか。これは適正な価格決定の判断材料になるとともに、企業への認知を広める上で有効である。
(b)代理店を通さず、交通局自身がプロパーの営業を行っているか。現状では、9億の広告収入のうちの約2割、1億8000万円が代理店手数料として消えている。今後は独自の営業展開をすべきでないか。
(a)直接、企業にニーズを聞いたことはない。
(b)交通局自身が営業を行うかどうかについては、研究をし、その上で努力していきたい。
現在、広告を受け入れてない業種(英会話学校、エステ、人事募集の案内、消費者金融など)について見直し行い、取引業種を拡大すべきである。
規制なしに取引業種を拡大するということは考えていない。柔軟に対応していきたいとは考えているが、基本は公序良俗に反しないことが前提にある。
交通局の中で広告に携わる人間が3名だと聞いているが、より多くの人員を配置すべきではないか。
9億円の収益を上げているところに3名というのは問題がある。収益が上がるところにはしっかりと人員を配置していく。これは雇用対策としても有効だ。
要員に関しては、広告関係は嘱託も1人配置しており、課長や部長も担当をしているため、正確には4名以上の人員で対処している。
「明日も走る」、「オフタイム」などの広報物作成に関し、約3500万円が投入されている。この広報物作成費は、広報物の中に、広告の枠をしっかりと設けることによって、その広告収入でまかなったらどうか。
現在の3500万円を浮かせるだけでなく、さらなる広告収入を見込むことができる。こうした試みは、海外の観光都市で既に行われているものであり、新しい行政のあり方であるように考える。
広報物の3500万円については観光関係の支援、一般会計からの支援を含めての数字である。「沿線便り」についてはタイアップ広告を打ち、制作費無料という形で長年やっている。今後もそういった方向で努力していきたい。
企業のニーズの調査等、独自の営業展開に関して「研究の上、努力」という言葉をもらったので、本当に努力していって欲しい。
下水道事業の建設企業債の未償還残高が、14年度末時点で5218億円ある。設備の老朽化、「災害に強い街づくり」などといった事業との同時進行などを考慮した上で、今後、どういった形でコストダウンがはかれるのか。
例えば、10年後、20年後には未償還残高がいくらになるのかということを具体的に説明して欲しい。
10年先等の見通しについては、内部資料としてはあるが対外的には出していない。
というのは、例えば、5年間の今回の財政計画を見た場合、利息自身が企業債としては3.5%という見方をしていたが、実際上1%を割る利率というものもあるので、かなりの差が出る数字になる危険性をはらんでいる。
つまり、現に発行した企業債については一定利率は決まっているが、新規債は非常に率が変わりつつあり、今現在も株価が上がってきている。
我々、借りる立場からすると、今後利率が上がるのではないかという懸念がある。実際に企業債の残高がどうなっていくかという点についても、今後25年のスケジュールを立てているが、5年ごとに見直しをする中で、内容を精査し、それに見合う仕事をしていかなければならないと思っている。
「京都の下水道」という資料には、データが少なすぎて市民に水道事業が今後も安心だと説明するのには説得力が欠ける。上下水道をできるだけ早期に、長いスパンでの推移を出していって欲しい。
現在公営企業の置かれる厳しい環境下で、一体、公営企業の最優先課題は何か?!
例えば、バス事業で言うと、生活路線の維持あり、バリアフリー化あり、環境保全あり、財政再建ありと幾つも指標がある。当然全て大事です。それを承知の上で、ただその中でも最優先をつけるとしたらどれなのか?
企業債は増加の一途。下水道では230億を越える利子を毎年返済せねばならない。明らかに財政圧迫の要因になっている。そういったことを踏まえ、ご答弁ください。
大変包括的な質問ですが、交通事業の優先順位という面から申しますと、利用促進の取り組み強化であり、経営体質の強化であり、生活路線の確保する為の財政構造の強化であります。
また地下鉄におきましては、こうした経営健全化と併せて都市基盤の地下鉄延伸問題と優先課題であります。
上下水道の重要課題は、安定した安心、安全な水の供給、下水道整備をして安全な街づくりに貢献する、経営の効率化を図るということであります。
結局、全部大事だと。
京都市は、2年財政非常事態宣言をしました、私はやっと本気で将来の為に財政の立て直しを最優先に京都市は動き出したなと思っておりましたので、拍子抜けですが、次に移ります。
さて京都市では様々な今後の見通しを立てています。是に対し、私は議会人の務めとして、我々自身がこのプランに責任を持てるかどうかも含めチェックする役割を負っているわけですが、残念ながら、今まで建てた目標は達成率が非常に低い。
今後のたてた目標数値がどういった形で推移していくのか?
また、市長は、この数字を、ただの頑張る為の目標と捉えているのか?
それとも絶対死守する数字なのか、どうお考えか?
絶対達成するという気迫で取り組み、そして達成したいと思っております。
ありがとうございます。
午前中も、ルネッサンスプランはマニュフェストだというご答弁もありましたので、絶対に死守して頂き、公営企業の健全化にお努め頂きたい。
さて、今、全国の自治体で現在、広告収入は大事な財源と、行政が広告の見直しをしている。神戸のヤフーBBスタジアムのようにネーミングライツで名前を貸し出したり、また横浜では全庁揚げて広告に取り組みはじめています。
京都市はこの広告という大切な財源をどうお考えか?
大変貴重な収入源だと考えております。
ならば、具体的にその財源確保をどうして行うのか?
例えば京都市には民間企業への派遣研修制度があります。先日の質疑では、広告を取ってくるノウハウがないとご答弁されてましたので、この制度を利用して、広告財源に向けた民間派遣を検討してはどうか?
また、結構頻繁になっている経験者登用もありますが、いかがですか?
委員御指摘の通り、広告収入落ち込んでいるのは確かです。
また民間で学ぶ事も大変重要ではありますが、これを市長部局から交通局に拡大するのは、残念ながら余裕がないという状況であり、現状では、現行の広告取次ぎ方式を継続する中で、担当職員業務知識の向上に努めて参りたいと考えております。
そういったところかなと思うものの、今後これにより1番財源確保し易いのは交通局ですから全庁のモデルケースとなるよう引き続きご検討頂きたい。
さて、最後ですが、ルネッサンスプランの目標値達成には、今後更なる一般会計からの補助金が求められていますが、財源が100億単位で減らされる中、バス事業だけ予算増額できるのか?
できなければまた、計画が頓挫するがどうお考えか??
交通局の経営努力を大前提に、市とし取りゆ施策について、支援策について、16年度予算編成の中で考えてまいりたいと考えております。
是非そうして頂かねば、折角市長が絶対死守する気概でやると言っていただいたのに、達成できなくなりますので宜しくお願いします。
飛ばし飛ばしになりましたが、将来に渡り、京都市がしっかりと運営されていくかどうか、これを我々はしっかり見定めていかねばいけない。是非そういった心意気で今後運営して頂きたいと思います。
質問終わります。