平成19年度京都市予算編成に対する要望と回答
重点要望 少子化対策
延長保育の拡充
要望
女性の社会進出が求められる中、通常保育ではカバーできないことが多く、働く女性の実情を加味すれば、かなりの延長保育が必要とされることはご周知の通りである。
実施保育園数の増加に伴い利用者数も年々増加している。既に名古屋市、金沢市、市川市などは4時間延長を実施済である。
また、当市でも長時間延長に取り組んでいる保育園に対するニーズは極めて高く、入所待ちが続出していることからも、早期の予算措置が求められる。
京都市からの回答
京都市における保育サービスは、児童福祉の理念である「児童を心身ともに健やかに育成する」ことを目的として、今日まで、乳児(0歳児)保育や障害児保育、夜間保育や延長保育など、その時々の様々な保育需要に対応して、全国的にも高い水準の保育サービスを提供しています。
近年、女性の就労者が増加するとともに、就労形態も多様化する中、多様な保育サービスがますます求められています。
延長保育につきましては、平成16年度に前プランの目標数値(平成18年度 131箇所)を前倒しして実施する等の取組を進めており、平成19年度についても、14箇所増の164箇所と、新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に掲げる目標数値(平成21年度190箇所)の達成に向けて、実施箇所数の拡大に努めていきたいと考えています。
また、現在の延長保育につきましては、30分及び1時間延長を基本(夜間保育所のみ2時間延長)としており、児童に与える影響を考慮しつつ、実施時間の更なる延伸については慎重に検討していきたいと考えています。
待機児童0に向けた取組み
要望
保育所の設置状況についてはかねてより積極的に取り組みを進められてきたが、より一層の取り組みを促進させ、待機児童0に向けての取り組みを進めること。
京都市からの回答
待機児の解消につきましては、就学前児童数に対する保育所定員の設置割合は、政令指定都市の中でも最も高い状況にあり、入所しやすい環境を確保していますが、共働き世帯の増加や就労形態の多様化によって、なお一部の地域におきましては、待機児童の解消が課題となっています。
平成18年度には、保育需要の高い地域において、新設1箇所、増築1箇所の施設整備を進めており、平成19年4月には、90人分の定員増を実施することにより、待機児童ゼロを維持して参ります。
児童手当の拡充
要望
子育て世帯にとって最も憂慮されるべき問題のひとつに経済的要因が挙げられる。
景気の回復の呼び水として公共投資が挙げられるが、同様に、子育て世帯への高額の直接給付は少子化の改善の大きな呼び水になると考えられる。
極めて厳しい財政状況ではありますが、政治はプライオリティーの問題であり、間違いなく少子長寿化対策は市の政策の中でも最も優先順位の高いもののひとつであります。
これをしっかり打ち出し、更なる充実に努められたい。
中でも、名古屋市の第三子以降の2歳までの保育料無料化(保育を受けない世帯は月額2万円を支給)等は先駆的でまた都市規模からも大いに参考にされ、鋭意取り組まれたい。
京都市からの回答
少子化の進行に歯止めをかけることは、社会経済の活力を維持するに相応しい人口構造を確保する観点や、子どもたちの健全育成を図っていく観点から極めて重要な課題です。
本市におきましては、平成17年1月に策定しました、新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に基づき、「市民・地域ぐるみで子育てを支えあい、子どもたちが希望を持っていきいきと育ち、子どもを生み育てる喜びを実感できるまちづくり」を目指して子育て支援を総合的に進めて参ります。
子育て家庭への経済的支援として、大きな役割を担う児童手当につきましては、平成18年4月から支給対象児童を「小学校3年生まで」から「小学校6年生まで」に拡大するとともに、所得制限が緩和されました。
現在、国において、3歳未満の児童に対する児童手当の支給額を、第1子・第2子月額5千円、第3子以降月額1万円から、一律月額1万円とする乳幼児加算の創設が予定されておりますが、本市独自の児童手当の増額等に関しては、非常に厳しい財政状況の中では困難な課題であると認識しています。
学童保育の拡充
要望
現在、学童保育は原則児童館設置に伴い、設置させており、単独設置が行われていない。
児童館設置も、学童保育所の設置も共に重要な課題ではあるが、緊急性を要するのは学童保育所のほうであり、児童館設置は学童の設置に比べよりハード面の設置が必要であり、多額の予算措置が必要である。
したがって、単独事業として、早急に設置されることを強く望む。また、低学年児童の足を考えると、現実的には元学区に一箇所程度必要であることも併せて要望するものである。
加えて、補完要素として子供放課後居場所作り事業と連携を取りながら京都市に住む全ての児童をカバーできるよう取り組みを進められたい。
京都市からの回答
児童館につきましては、地域における児童の健全育成及び仕事と子育ての両立支援を進める観点から、必要とされる全ての市民に御利用いただけることが喫緊の課題であります。
本市では、留守家庭児童を対象とした放課後対策事業については、児童館において学童クラブ事業として施設的に一元化して実施することを基本としています。
平成18年度予算においては、新たに児童館3箇所の建設及び3箇所の設計のほか、学校施設を活用した学童クラブ分室の整備等の予算を確保したところです。
平成19年度におきましては、過去最大となる5箇所の児童館の建設や6箇所の設計等、学童保育待機児童対策に向けた予算を確保しました。
このように、新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」に掲げた児童館整備の数値目標の達成に向けて取組を進めていくことにより、本市における留守家庭児童については、施設的に受入可能であると考えています。
したがいまして、今後も一元化児童館の整備方針に基づき、児童数の動向や子どもの生活圏等を考慮し、また、放課後子どもプランにおける「放課後子ども教室推進事業」との整合性を図る中で、必要な地域への児童館整備に向けて取り組んで参ります。
一時保育・24時間保育の拡充
要望
一時保育のニーズは従前より高く、一時保育の充実は求められるところであるが、現在の保育所の実状を鑑みると、着実に実施箇所、利用児童数も増加しているが、地域に根付いたものである事を考えると未だ十分であるとは言い難いことから更なる充実に向け取り組みを進められたい。
また、既に行っているファミリーサポート事業やショートステイを上記の補完機能として更に促進させるべきである。
同時に、当制度をもって補いきれない部分であり、働く女性の就労形態の多様化に対応できる24時間保育のニーズは高く、現在未対応なことから、早急に取り組まれたい。
京都市からの回答
一時保育につきましては、保護者の断続的・短時間就労に伴う一時的な保育や、保護者の傷病などによる緊急時の保育、保護者のリフレッシュを図るための保育といった様々な保育需要への対応が可能で、また未就園児童への子育て支援サービスの提供に今後も大きな役割を果たすことが期待できると考えています。
このため、平成19年度につきましては、4箇所増の33箇所で実施する等、実施箇所数の拡大に努めて参ります。
ファミリーサポート事業につきましては、地域における市民相互の子育て支援を推進するため、平成14年10月に開始しましたが、会員数は年々増加し、14年度末では857人でしたが、平成18年12月末現在では2、786人に達しています。
また、ショートステイ事業につきましても、児童を養育する家庭の保護者が疾病や仕事等の理由により、家庭における養育が一時的に困難となった場合において一定期間養育することで、その児童及び家庭の福祉の向上を図ることを目的に、市内の乳児院(2箇所)・児童養護施設(8箇所)の全施設で実施しています。
さらに、平成17年11月からは母子生活支援施設(1箇所)においても本事業を開始し、受入態勢を強化したところです。利用日数は平成14年度の3、693日から、平成17年度では6、214日に増加しています。
平成19年度予算においては、対象家庭の拡大(生後3箇月以上の子どもを持つ家庭→妊産婦の家庭)や提供サービスの充実(依頼会員宅における育児・家事援助サービスの実施)を図るとともに、市内に14箇所の支部を設置することにより、更なる会員確保を図る予算を確保しているところです。
なお、働く女性の就労形態の多様化に対応できる24時間保育の実施につきましては、ベビーホテル等の利用など、潜在的なニーズはあると考えています。本市でも、保育所でこれらの需要に対応できるよう、夜間保育を7箇所で実施していますが、深夜の時間帯を含む24時間保育の実施については、児童に与える影響を考慮する必要があることから、慎重な検討が必要であると考えています。
放課後居場所づくり事業の支援 
要望
教育という側面のみならず、地域のサロン的な役割、児童館としての機能を有し、あくまで市民と協働しながら運営する低コストでかつ大変合理的なシステムである、文部科学省が推進する「放課後子供教室推進事業」を早期に着手し、児童館未整備地域を中心に実施されたい。
一気に実施することより、地域としての温度差等を考慮に入れ、モデル学区を選定し、モデル実施という形で取組を進められたい。
加えて独自教室の確保と一定規模の予算措置を要望する。
京都市からの回答
放課後の子どもの居場所づくりについては、保護者ニーズの多様化、子どもの生活実態の変化、児童を取り巻く悲惨な事件や事故の多発という状況の中、自主的な学びの場、また、安心・安全な居場所の確保が課題となっております。
こうした中、本市では、平成18年5月に放課後の子どもの居場所のあり方を検討する場として、学識経験者・PTA・児童館関係者等の御参画のもと、「学校放課後子ども育成事業検討委員会」を設置し、検討してきました。
平成18年9月に国の平成19年度予算案において、新たに小学校の施設を活用し、小学1年生から6年生までのすべての児童を対象とした自主的な学びの場や様々な体験活動の場、安全な居場所づくりを目的とする「放課後子ども教室推進事業」と小学1年生から3年生までの昼間留守家庭児童を対象とする従前の「放課後児童健全育成事業」(学童保育事業)を原則としてすべての小学校区で展開する「放課後子どもプラン」が発表されました。
本市では児童の健全育成と昼間留守家庭児童の放課後対策と母親・乳幼児に対する子育て支援事業を実施する一元化児童館を昭和53年から、民間の御協力を得ながら整備してきており、平成17年1月に策定した新「京(みやこ)・子どもいきいきプラン」においては、130館を整備する目標を掲げて取組を進めており、現在、 103館を整備しています。平成19年度については、新たに過去最高となる5箇所の整備と6箇所の設計を行って参ります。
「放課後子ども教室推進事業」の実施に当たっては、一元化児童館が、18歳までの児童の健全育成の場、小学1年生から3年生までの昼間留守家庭児童の生活の場として、児童の健全育成並びに地域における子育て支援の拠点となっていることに十分留意しつつ、連携していく必要があります。
巨額の予算、施設状況の点検、運営要員・ボランティアの確保等課題もありますが、自主的な学びの場、また安心・安全な放課後の居場所づくりとして有意義な事業です。平成19年度は50校程度での実施を目指して参ります。
今後の事業展開については、「学校放課後子ども育成事業検討委員会」において十分検討し、地域におけるニーズを踏まえながら、効果的な連携手法や事業メニュー等を具体的に決定して参ります。
