【京都市左京区市議会議員】京都党代表-村山祥栄のブログ-つぶや記

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March

18

2019

障害者の自立はマーケットにあり。

人口減少社会に突入し、労働人口の減少と社会保障制度の持続性が大きな課題となっている。女性、高齢者、外国人の就労を進めることで労働力を確保したいという動きは出てきているが、障害者の就労は未だ進んでいない。彼らを福祉の対象者とするのではなく、社会の担い手として期待するのは、財政負担の観点もあるが、何より彼らの自立支援に繋がる。これまで障害者雇用は健常者の雇用に比べコストや負荷が掛かる為、雇用するのは企業の責務と言われたり、CSR(社会貢献)と言われており、積極的に取り組む企業は少なかった。しかし、昨今の労働者不足は深刻で、これまで労働市場からはじき出されていた人材も取り込んで企業経営をしていかねば成り立たない時代が到来した。
つまり、労働市場のマーケット縮小は、障害者雇用にとってチャンスだと言える。
授産施設には向き合い方が少し難しかったり、得手不得手が極端だったりして、正直雇用するには難しいと思われる人材が多いが、一方適材適所な採用をすれば輝ける人材もいる。決して優秀ではないが、十分給与を稼げるだけの仕事ができる人材もいる。
今課題なのはふたつだ。
ひとつは、そうした人材を雇用するスキームが少ない。普通の雇用だと、人材紹介会社もあれば求人サイトもある。しかし、彼らを雇用し、彼らを社内教育する為の情報が少なすぎることだ。しかも、福祉寄りになりすぎて、現実的にビジネスとしての雇用に繋がりにくい。役所にしても、保健福祉局分野の担当分野である限り、障害者雇用促進アドバイザーなどを設けて取り組んでいるが、福祉政策から抜け出せない。特別支援学校の就職率が高いのは、彼らは働ける人材であるという証明であるが、企業側からすればそこぐらいしか求人の方法が見当たらないことも一因だと言える。特に、授産施設で働く人材の社会進出を支援するスキームが圧倒的に足りない。一部の授産施設ではそうした一般企業就職に熱心なところもあるが(こうしたゴールにインセンティブを払っていかねばならない)、極めて少数なのだ。生産年齢人口の減少に伴い、労働市場の補完機能として有望な市場だととらえて、産業局は積極的な取り組みを始めなければならない。
もうひとつは、授産施設にいい仕事がない。まず、自ら商品開発し、販売をしているがあまり売れていない。ビジネスとして成り立つどころか、補助金依存型で採算無視して仕事を創出している状況が続く。私も授産施設に頼まれて、色々なところに売り込み、販路拡大のお手伝いや業務請負のお願いをし、事実一定の成果は出たものの、採算が合うようなものではない。施設はしょせん施設で、事業家ではない。あくまで福祉施設なのだ。彼らは福祉のプロであってビジネスのプロではない。素人の商品開発と販売では付加価値を高まらず、コスト競争力は極めて低い。販路は行政関係の施設での販売が中心で、一般的な市場に出回る量はとても少ない。仮に出回っても、応援するという視点では売れても、一般商品と比べて競争力がないのでなかなか売れない。
しかし、一方で少しでも高い工賃を払える涙ぐましい努力をされている。
彼らにこそ、ビジネスのプロが必要だ。さらに、全ての企業が、彼らに何か任せられる仕事はないか考えらえる市場が必要だ。現在は認知が低く、一部の理解ある経営者が仕事をお願いされているにすぎず、高い工賃を支払える仕事が少ない。
しかし、マッチングさえうまく行けば、企業側は通常の数分の一のコストで業務を委託出来、彼らの賃金が大幅に上がる。私の知人の企業では、パンの製造をやっているが、今年から授産施設に業務を発注した。結果、授産施設は障害者に10倍の工賃が払えるようになり、企業は通常よりも大幅に安く安定した商品供給を受けられるようになったという。ゆくゆくは、彼らを授産施設から自らの企業で正社員として雇うと意気込む。
こういったマッチングは企業の競争力を高め、労働市場の人材不足を補い、障害者は自立でき、福祉関係経費の抑制にも役立つ。
こうした社会課題の解決が持続可能な社会には必要だが、重要なのはお金が回るということであり、その観点に立てば、経済分野からの俯瞰が何より重要だと言える。
(平成31年3月6日予算委員会)