【京都市左京区市議会議員】京都党代表-村山祥栄のブログ-つぶや記

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October

29

2018

続報】芸大移転の不条理を追う③ 資金計画抜きの経営計画

次に移転を要望し続けた芸術大学側の問題を取り上げたい。
前回も申し上げたが、芸大側の移転理由は以下の4点だ。
 1、バリアフリー整備 
2、耐震性  
3、施設の狭隘化
4、立地条件 
だ。最初の3点は移転せず、沓掛での建て替えで可能で、移転の唯一の拠り所は立地なのだ。しかし、立地はそれほど必要なのだろうか。
受験生の確保が難しくなるというのがその理由の一つだが、そもそも京都市芸術大学の入試倍率は1.8~4.7倍、平均3.8倍と定員割れどころか入学志願者はむしろ多く、偏差値も国公立で2位、東京芸大、武蔵野、多摩、私立いれて4,5番と高い。確かに東京芸大入試倍率12倍には及ばないものの国公立では4番目、私立含めて9番目と優秀だ。
そして、余り知られていないが、芸術大学は大抵郊外で、街中にあるのは東京芸大の他ごく一部だ。愛知県立芸術大学は長久手市の郊外、人気の高い多摩美術大学は八王子の郊外、武蔵野美術は小平市といずれも街中ではない。私立で最も入試倍率が高い東北美術工芸大学(5倍)に至っては山形駅からさらにバス20分という立地、長岡造形大も新潟の長岡駅バス15分という悪立地だ。逆に公立で最も立地がよい浜松駅徒歩15分の静岡文化芸術大学は京都市芸大より倍率も偏差値も低い。
つまり、芸術大学の特色として、立地によって入学希望者が左右される大学ではないということだ。そう考えると、移転の必要性は低いと言わざるを得ない。
問題のひとつは、公立大学という側面にある。
公立大学は独立行政法人に既に移行しているが、借り入れは自治体からしかできず、基本的に自治体の下部組織(動物園などと同じように)だという位置づけが強く、教育方針は自立するが、金銭的には丸抱えしてもらうという発想が学内にも強い。国立大学が自ら研究費や寄付を集め経営している姿と比べると対照的だ。その証拠に、芸術大学の学内審議をみても、移転費用についての意識は希薄で、基本的に京都市にまかせっきりになっているのが伺える。平成22年に移転計画が浮上したときから、京都市所有の公有地をピックアップ(当時は崇仁、山之内、小学校跡地など)し、どこを使おうかという議論からスタートしている。京都市のモノはまるで自分のものだ。
芸術大学の流動資産はたった6億円しかない。移転費用をどうして捻出するのかと鷲田清一学長にもお会いして尋ねたが、寄付を集めること以外考えていないとのことだった。
「資産を売却して○○億円捻出して」「借り入れは最小限に留めて」といった意識も議論もないのだ。私は人づてに40年前、当時現在の沓掛への移転をまとめ上げた山崎修名誉教授を訪ねたが、「京都市は財政危機じゃなかったのか。なぜこんな財務状況で移転計画が出てくること自体理解できない。前回の移転の時はとにかく財源確保が最大の焦点だった。意識なさすぎる。そもそも、そんな予算があるなら教材や大学運営に補助をしてもらいたい。」
と怒りをあらわにした。
「金のことを考えずに好きなこと言っている。」
そんな印象だと言い放っていた。
事実、今年の予算委員会で、京都市は財源確保できていないと発言をしている。