ゴミ処理の実態に迫る!ゴミ袋有料化を前に
~その前にすべきことがある~
ゴミ袋有料化条例が今議会で審議されました。これは、既に全国の多くの自治体で導入を進められ、大量にゴミを出す方、出さない方の不公平感の解消、また市民の皆様に「ゴミもタダではない」という意識をしっかり持って頂きごみ減量に繋がるという意味では効果的だとも言えます。
しかし、いくら一枚45円の袋とはいえ市民の皆様に多大なご負担を強いることになるのは事実。市民の血税を求めるならば、行政自身が身を切る覚悟でやらねばなりません。目一杯経営努力をした上で行うべきである。これが持論です。そこで…、
昨年から環境局の事業の見直しを徹底的に進めてきました。最も根が深く、最も経営改革が進まない牙城のひとつ「ごみ収集事業」へメスを入れました。
ごみ収集費用の真相に迫る
京都のゴミ処理料金は全国トップクラス!大阪市も唖然?
ここに一通の報告書があります。変革に目覚めた大阪市市政改革本部の調査報告書。そこにはこうありました。「大阪市は京都市に次いで収集単価が高い」と。あれだけ腐敗が叫ばれた大阪市よりも状況は悪いのです。一体、実態はどうなっているのか、またなぜそうなってしまっているのか、徹底追求が始まりました。昨年の決算委員会では、その第一弾として、不可思議な庸車制度の廃止や直営よりも高い民間委託料の是正といったあべこべの実態に迫りました。(詳細はバックナンバー、HP参照)今度は、直営の職員の勤務の実態調査に乗り出しました。
Case1 作業員の直接労働3時間半で一日分の給与支給?!
当局に問い合わせても、こればかりは「しっかり働いている」という答弁しか返って来ません。故に、当局に強く守り続けられてきたところだと私は認識しています。らちが空かない私は現状現場主義に立ち返り、連日、張り込みを開始しました。
答弁とは裏腹に、現実は一日3時間から4時間程度しか働いていない職員の姿を見ることになりました。午前中に3回収集して、昼から一回収集に行って、概ね2時までに皆さん帰ってくる。そして4時半に退庁します。これはおかしいということで、何度も事務所にも足を運びました。そこで目にしたものは、風呂に入ってゆっくりし、皆さんでゲームをしたり、昼寝していたり!!!中には近所へお出かけになる方もありました。みんな勤務時間内のお話です。つまり、皆さんの税金を頂きながら、就業規則にはありえない休憩を長時間取っていたのです。
また、雨の日は、なんと収集業務を午前中に終えるという通称:雨対策と呼ばれるの実態も浮き彫りになりました。なんと、午前中で終わる業務を一日かけてやっていると!これは、委員会追及で、当局が最後は全て認めることになったのです。
まち美化事務所の一日の業務
- 08:00 出勤
- 08:30 出庫→収集
- 11:30 帰所
- 12:00 昼休み
- 13:00 出庫→収集
- 14:00 入庫→入浴・休憩
- 16:30 退庁
※14:00以降、原則、「取り残し、苦情処理等の業務に従事しています」とのこと。実態は、それは一部。
Case2 トレーニングルームや仮眠室が本当に必要なのか?
まち美化事務所は、入り口の市民向けの事務室以外、殆ど事務所の中が外から見えない仕組みになっています。中には監視カメラがある事務所まで。過度に外部から見られることを避けているようにも映ります。中に潜入すると、中は、休憩を前提に作られている部屋がいくつもありました。仮眠室はあるわ、トレーニングルームはあるわ、休憩室はいくつもあるわ、大体、なぜ08:00~16:30勤務で仮眠室が必要なんでしょうか?税金で賄っている施設の実態です。
もちろん、勤務時間内に使用されています。なぜ、彼らの仮眠に税金を払わねばならないのでしょうか。これは市民の税金の使い方を問わねばならない重要な問題であると捉え、今度は、幾度と生身の現場を見る為にまち美化事務所へ乗り込みました。
これは予想外の反応でしたが、方々からクレームはくるわ、現場では罵詈雑言を浴びせられるわ、問題の根の深さを強く感じました。それでもなお、「義を見てせざるは勇なきなり」止める訳にはいかないんです。委員会の答弁では、「勤務後疲れている職員がいる」「仕事柄筋トレも大事」など理解できない返答でした。勤務後なら、家で寝るなり、ジム行くなりしたらよろし。呆れてものが言えません。
Case3 再生へ向けて。経営改革実施で削減額は42億(村山試算)
さて、こういった問題を公にすることも大切な仕事だと思っておりますが、それ以上に大切なのは、具体的にどういった改善、改革が前に進むかということです。これは当局への私案です。当局がどこまで受け入れるかは未知数ですが、委員会では「改革、見直しを行う」との答弁を引き出しました。こういった単純労働の業務改善は、現場が反対することを除けば、比較的安易です。特に今回の問題は作業員の超非効率な配置・運営。問題は、現場の作業員ではなく、この状況で「よく頑張っている」と言い張る管理側の管理責任だと考えています。具値的には、運営に必要な人員は717人ですが、現在856人も配置されています。言うまでもなく過剰人員です。提案内容は要約すると、下記のとおりです。
- 既に無駄な余剰人員化している人員の削減
- 収集車一台の3人乗車体制から2人乗車体制へ
- 時間が余っているですから、一日の収集回数を4回→5回へ
詳細は割愛しますが、これで481人分の職員削減が可能です。
人員削減策の説明図
人員削減策 |
運転手 |
収集員 |
必要人員 |
221名 |
442名 |
現在員 |
▲57名 |
▲83名 |
2人車付 |
|
▲239名 |
収拾回数4回→5回へ |
▲51名 |
▲51名 |
最低削減可能数 |
▲108名 |
▲373名 |
さらに、委託単価の見直しや車両の耐久年数の延長・台数の削減等でざっと42億円の削減が可能になります。
削減可能計画値-合計42億-
- 庸車廃止12億(92台分)
- 職員削減24億(389名)
- その他6億
To the end むすびに ゴミ袋有料化可決と今後の展開
結局、ゴミ袋の有料化は、迷走の末、可決されました。私も、最後の最後まで検討を続ける中、これらの職員削減を初めとする自助努力による経営改革を当局が行うことを条件に賛成を致しました。長い間、手付かずになっていた環境局に大きなメスが入り、これ程大きな経営改革に乗り出すことはかつてない大きな前進だと思っております。この改革がどれだけ大きな実を結ぶか、今後の行政運営に期待したいと願うとともに、引き続きしっかりと我々はチェック機能を果たし続けていかねばなりません。
1月臨時議会「無防備・平和都市条例」の制定について
3万名を超える市民の署名により、上記条例の制定を求める直接請求がありました。この条例案は、ジュネーブ条約に基づくもので、一言で言うと、日本が戦争をしても、京都市は非戦宣言をし、攻撃しないでもらおう!といった趣旨のものです。
恒久の平和を希求する一員として、この住民意思を尊重すべきという観点から、私なりに検討を重ねた結果、法治国家としての根底を揺るがす多くの矛盾を孕む案であり、賛同できないものであると判断致しました。理由は下記のとおりです。
- 地方自治法、自衛隊法などの法律によると国防は国の所管であり、有事の際、自治体は国に従い相互連携せねばならず、独自に条例を制定することが不可能です。
- ジュネーブ条約に定める宣言を行う主体は自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣の権限であり、無防備宣言を行えません。
- ジュネーブ条約はイラク戦争をはじめ幾度と破られ、また、テロ等には無効など、この宣言が京都を守るために有効だとは思えません。